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「灯が見える。そちらの灯を消し、三度点灯してください」 ネリはシスネロスの着陸地に命じていた。シスネロスは灯を消し、再び点灯していたが、僕達が見ているその無情な灯はまばたきしなかった。清廉な星だった。
 燃料が尽きかけていたにもかかわらず、僕達は金の仕掛けに、その都度、食いついていた。それはその都度、本当の航空灯台の光だった。それはその都度、着陸地や命だった。それから僕達は星を替えねばならなかった。
 それ以来、僕達は惑星間の空間に、到達不能の百の惑星間に迷い込んだように感じていた。唯一で真実の惑星、僕達の惑星、なじみの風景や感じのよい家々や優しさが唯一含んでいる惑星を探し求めながら。
 唯一含んでいる惑星を. . . 僕に現れたその時のイメージを述べよう。あなた方は多分子どもっぽいと思われるだろう。しかし危険の只中にいても、人は人間への関心を持ち続けていて、僕は欲求し、渇望していた。僕達がシスネロスを捜し出したなら、燃料を満タンにしてすぐに飛行を続け、夜明けの冷気の中、カサブランカに着陸するのだが。仕事は終わるのだ! ネリと僕は町へ出かけて行き、夜明けに、もう開いているビストロを見つける. . . ネリと僕は安心してテーブルにつき、焼きたてのクロワッサンとカフェオレを前にして過ぎ去った夜を笑うし、ネリと僕は朝の贈り物を人生から受け取るのだが。そのように年とった農婦も、彩色した聖画像、素朴なお守り、ロザリオを通してはじめて、神にたどりつく。

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