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不時着地の楽園の中で、草の下に長々と寝そべっているそのヘビは、ここから2000キロ離れたところで僕を狙っていた。その最初のときに、ヘビは僕を火達磨に変えるのだろう. . .
 僕はまた、丘の中腹で戦闘配置して攻撃の準備ができた30頭の闘羊に対して、敢然として待ち受けていた。「この牧場はあいていると君は思う。ところがどっこい! 30頭の羊が車輪の下に駆け降りて来るんだ. . . 」 僕はといえば、そんなに危険な脅威に対して、驚いて苦笑するしかなかった。
 それから、少しずつ、僕の地図のスペインはランプの下で、おとぎ話の国になっていった。僕は不時着の場所と罠に十字の印をつけた。僕は農場主、30頭の羊、小川に印をつけた。僕は地理学者が無視してしまった羊飼いの娘を正確な場所に書き込んだ。

 ギヨメに別れの挨拶をしたとき、冬のとても冷たいその夜を、僕は歩きたくなっていた。僕はコートの襟を立て、事情の知らない通行人達の中を、若い熱意を連れて歩いていた。僕は心に秘密を持ち、見知らぬ人々とすれ違うのが誇らしかった。野蛮人の彼らは僕を知らずにいるが、日の出に、彼らの不安や胸の高まりを、郵便袋の積荷と一緒に彼らが託すことになるのは、この僕なんだ。彼らが希望を引き渡されることになるのも、僕の手中に握られている。だから、コートにすっぽり包まれた僕は、彼らの中を保護者ぶって歩いていたが、彼らは僕の気遣いなんか分からないのだった。

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