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それで、僕は多くの弱気と誇りの混じった気持ちを抱えて、仲間のギヨメのところに徹宵(てっしょう)の夜を過ごしに行った。ギヨメはその路線を僕に先立って飛んでいた。ギヨメはスペインの鍵となる場所を手に入れる要領を知っていた。僕にはギヨメから秘儀を伝授してもらう必要があった。
 僕が彼のところに入っていくと、彼はほほ笑んだ。
 「その知らせは知ってるよ。きみは満足かい?」
 彼はポルトワインとグラスを取りに戸棚に行き、ずっとほほ笑みながら僕のほうに戻った。
 「さあ祝杯を挙げよう。今にわかるさ。うまくいくよ」
 彼はランプが光を放つように信頼の光を放っていた。その仲間は、後でアンデス山脈と南大西洋の横断で、郵便飛行の記録更新をした人だった。それより数年前のこの晩に、上着を脱ぎランプの下で腕組をして、最大のほほ笑みを浮かべながら、彼は僕にただ言った。「雷雨、霧、雪、それが時々君を困らせるだろう。その時、君の前にそれを経験したすべての人のことを思いなさい。そしてただ自分に言うんだ。ほかの人が成功したのだから、今でも成功できるんだ」。しかしながら僕は自分の地図を広げて、その往復を僕と一緒に少し検討することをやはり彼に頼んでいた。そしてランプの下で体を傾け、先輩の肩に寄りかけ、僕は学校時代の平穏を思い出していた。


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