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 だが僕がそこで受けた地理の授業は、なんと奇妙だったことか! ギヨメはスペインを僕に教えなかった。彼はスペインを僕の友達にした。彼は僕に、水圏も人口も家畜も話さなかった。グアディスについても話さなかったが、グアディスの近くの畑の端にある3本のオレンジの木について話をした。「それらに気をつけるんだ。地図にマークするんだ. . . 」 それで3本のオレンジの木はそれ以降、シエラネヴァダ山脈よりもそこで幅を利かすことになった。彼はロルカについて話さなかったが、ロルカの近くの普通の農場について話をした。今も続く農場について。その農場主について。その妻についてだ。僕らから1500キロも離れていて、空間の中に埋もれたその夫婦は、とてつもない重要性を持っていた。山の斜面にすっかり落ち着いて暮らしながら、灯台守のような彼らは、彼らの星々のもとで人間たちに救いを与えようとしていた。
 そういうわけで僕らは世界のすべての地理学者に知られていない細部を、彼らの無視や途方もない閑却の中から引き出していた。というのは、いくつもの大都市に水を供給するエブロ川だけが、地理学者の関心を引くからだ。モトリルの西にある草の下に隠れた小川、30ばかりの花の養父なんか問題外なのだ。「その小川に気をつけろ。それは畑を駄目にする. . . それも同じく地図に記入するんだ」 ああ! 僕はモトリルのヘビを覚えていることになるだろう! それはぜんぜん目立たなかった。それはわずかなせせらぎの音で、かろうじて少しの蛙達を喜ばせていた。だがそれは片目を開けて横になっていた。


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