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 僕がその夜から受け取ったいくつかのメッセージを彼らはすこしも受け取っていなかった。というのは、たぶん来そうな吹雪はまさに僕の肉体に関わるものだったし、それは僕の最初の飛行を複雑にするものだったからだ。星々はひとつずつ消えつつあったが、その歩いていた人たちは、どうしてそれを知りえようか。その打ち明け話を聞いたのはぼく一人だけだった。戦闘の前に敵の配置を僕に知らせてくれていたのだ. . .
 しかしながら、それほど重大に僕を巻き込むそれらの合言葉を、僕はクリスマスの贈り物が輝く、明るいショーウィンドーの近くで受け取っていた。そこには夜に、地上のすべての財産が陳列されているようだった。それなのに僕はそれを放棄する思い上がりに酔い痴れていた。ぼくは危機に瀕した戦士だった。夕べの祝宴に使う煌めくそれらのクリスタル製品、それらのランプの笠や本なんか僕にはどうでもいいことだ。すでに僕は吹きつける雨の中にいた。路線パイロットとしての僕は飛行の夜々の苦い果肉をかじっていた。

 僕が起こされたのは朝の3時だった。すばやくブラインドを押した。町に雨が降っていることをよく見て、重々しく服を着ていた。
 半時間後、ちいさな旅行かばんに腰をかけて、雨に光った歩道で、僕を乗せるバスを順番に待っていた。僕より前のたくさんの仲間たちも、聖別の日に、すこし胸を締め付けられる思いで、その同じ待つ時間を耐えていたのだ。 

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