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君はさまよえる惑星の住人ではないし、答えのない問題を自分に出したりはしない。君はトゥールーズのプチブルジョワだ。まだ時間があるときに、だれも君の両肩をつかんでしまうことはなかった。いまや君が創られた粘土は乾き、固くなっていて、最初たぶん君に宿っていた、眠れる音楽家、詩人あるいは天文学者を今後は誰も君に目覚めさせることができないだろう。
 僕はもうたたきつける雨に不満を言わない。職業の魔力が僕にひとつの世界を開いている。2時間以内に、そこで僕は黒いドラゴン達と、青い稲妻による光を冠のように頂いた峰々と、立ち向かっているだろう。そこで、夜が来て、解放されて、僕は天体に自分の道を読み取るだろう。

 そのように僕たちの職業的洗礼は行われた。それから僕たちは往復飛行を始めた。それらの往復飛行はたいていの場合、平穏なものだった。僕たちはプロの潜水夫のように、穏やかに僕たちの領域の深部へ降りて行った。それは今日よく探求されている。パイロット、機関士そして無線通信士はもはや冒険を試みないで、実験室に閉じこもっている。彼らは計器の針の動きに従っていて、もはや風景の広がりには従っていない。外では暗闇の中で山岳が沈んでいるが、それはもはや山岳ではない。それは接近を計算しなければならない、目に見えない潜在的存在だ。無線通信士は明かりの下で慎重に数字を記入する。

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